1997年の立ち上げから、劇団ONEOR8の劇作・演出を担う田村孝裕。ありふれた日常における人々の心の動きを緻密な会話とユーモアで描き、近年では小劇場から大作まで数多くの外部公演を手掛け、高い評価を得ております。さらに映画やドラマなど、ジャンルを超えた活躍をみせる田村孝裕の最新作『緑に満ちる夜は長く・・・』の上演が決定しました。
主演はA.B.C-Zのメンバーとして精力的に活動する一方、俳優として秀逸な表現力で数多くの舞台、映画、ドラマにおいて、比類なき存在感を放つ戸塚祥太。共演には加藤虎ノ介、山口森広、溝口琢矢。さらに坂田 聡、高橋由美子など、人気と実力をともなったキャストが集結いたしました。
ものがたりは亡くなった母と男四兄弟たちの追想と現在を織り交ぜながら進んでいきます。父親が失踪し、女手ひとつで育てられた四兄弟。そして兄弟たちは大人になり、仕事に就き、家族を持ち、それぞれ実家を出て行きます。しかし三男だけはとあるハンデを抱えつつ、母と暮らし、やがてその母を看取りました。その母の死をきっかけに久しぶりに集まる兄弟たち。そして母が大事にしていた金庫が開けられることになります。そこには母が秘密にしていた家族の重大な事実が、、、
母の死をきっかけに揺れ動く兄弟たちの葛藤を描く田村孝裕による待望の最新作『緑に満ちる夜は長く・・・』にどうぞご期待ください。
雪深い田舎町。そこにぽつりと建つ一軒家。緑川家。
残雪の三月、緑川家では母アキナ(高橋由美子)の葬儀が行われていた。男四兄弟を女手ひとつで育てあげたアキナ。その母を看取ったのは母と共に暮らし、とあるハンデを抱えつつ、介護をしていた三男ユウ(戸塚祥太)だ。連絡を受け、長男ゴウ(加藤虎ノ介)、次男カイ(山口森広)、四男ケイ(溝口琢矢)も実家に帰ってきた。久しぶりに顔を合わせる兄弟たちのあいだで昔のことを思い出し、懐かしんだ。
弔問客が出払ったあと、まだ一人残っていた人物がいた。ベテランの鍵屋(坂田 聡)の人間だった。母の遺品を整理した際に見つかった金庫。その金庫を開けるべく、ゴウが街から鍵屋を呼んだのであった。やがて金庫の鍵が開けられた。そこに入っていたものとは・・・・・・。
通夜のあとの“寝ずの番”に巻き起こる、面倒臭くも愛おしい緑川家の長い夜を、ぜひ覗き見しにいらしてください。